5百万画素の別天地

しばらく書かないだろうと言っていたが、こんなに早く文字を書くことになるとは。

年に一度のビックイベント。美容室で起きた悲しい結末を受け入れるためにバーガーキングのワッパーと薄いコーラで流し込んだ。

今日はブリーチしていた毛先が死んできたので10cmほど切り落とした。半年前に15cm切っているので、25cm分の私が死んだことになる。これも非常に悲しい事だが、本当に悲しかったのはこの後だったが割愛。

今日は前回の個展で知り合った作家さんがポップアップイベントに参加されてるとのことで足を運んだ。美術教育を受けていない私にとって、知らないことがまだまだあるなと感じる。制作の前にドローイングを100枚描くとか・・私には耐え難い世界だが、その結果は確かにはっきりと現れていた。基礎があるか否かというのは結構見えるものだ。

ZINE、拝見させていただきました。実物も一部あったので見れて良かったです。



そのついでに、というかどちらも同じ地域だったのでラッキーだっただけだが、多田恋一郎氏の展示が明日までの会期だったのでそちらへ向かう。氏の存在自体は去年くらいからやんわり認識していたが、恥ずかしながら作品はWEB上でもちゃんと見たことが無かった。

行こうと思ったきっかけは、氏のTwitterでの発言が結構過激というか、攻撃性を感じたことだった。端的にいえば現代アート、コンセプチュアルアートとか嫌いなんだろうなという感じが見て取れたのだ。言ってみれば私とは真逆なのかもと思いつつ、逆に読み解きたくなった。

すでに開催されていた氏の展示風景は幾つか見ていたのでなるほどこれを書く理由が行ったらわかるのだなと考えた。写真から見ても技術的に卓越しているというか、独創性がある。

作品の写真もあるしギャラリー側のページは更新されてしまうと思うので美術手帳の記事を貼っておく。


「彼岸に咲いてたゼラニウム」

https://bijutsutecho.com/exhibitions/9952

で、私と考え方の違いそうな人の展示に私は何を思うかな(実はある程度予想はしていた)と期待しながら向かった先で見たのはこう、非常に丁寧に練られた隙のない空間だった。


入口からカーテンで仕切られ、入った空間に佇むテーブルと二対の椅子。片方にはゾンビキャンバスと呼ばれるオブジェが佇む。あれはきっと”彼女”なんだろうか。テーブルに置かれた一冊の漫画(どう呼称するべきかわからないが漫画と言わせてもらう)に氏の思いもこの展示のことも全て描かれていて、二度読んでしまった。繊細さと底なしの沼が混在した。言葉にするなら愛そのものが描かれていた。気がする。

この漫画を読んでからとそうでない状態ではこの展示はまるで見方が変わるものだった。

ステートメントなんかより、よっぽどステートメント。


最初、真っ先に漫画が視界に入ったが読まなかった。まずは主観だけで単純に美術を見ようと思った。氏のやっていること言っていることがそれを求めているように感じたので。

正直技術としても選ぶ画材としてもこれの価値は如何にというものは1点あった。この展示において必要なパーツであることは明確だが、ロールシャッハ的な見せ方のやり口は際どいところだと私は思う。つまりインスタレーションとしては完成されていたけれど、他の作品との対比でみると明らかに劣るものに感じられた。考えてみれば作品名もキャプションも貼られていない空間の作り方としてはインスタレーションと解釈しても間違いではなかったのかもしれない。

空間の作り方としてはとても良く出来ていて、ギャラリーの方も話していたがその辺はコンセプチュアルなのだ。この丁寧さを考えるに、絵画が、アートが好きなんだろうと感じる。実直に向き合わんとする誠実さと、心の繊細さがここにあった。


最も触れるべき顔の絵画に関しては、正直いくらでもTwitterあたりで感想や写真が見れるので細かくいうことはない気がする。技術力、表現力、独創性。素晴らしい。そして怖い。だが美しい。人が人を恐れながらも他人を愛する感覚に近いものがあった。

結論、非常に良かった。

私としてはあの漫画が非常に良かったと感じる。初見でもスッと入ってくる日本人による日本人らしい手法は文字で事細かに説明してしまうより圧倒的に飲み込みやすい。ちょうど前日の夜に聞いていたみなみしまさんという学芸員の方の話で、最近ステートメントが「だが。である。」調から「です。ます。」調になってきているという話があった。

これは鑑賞者を置いてけぼりにしていたアート界隈が敷居を下げ始めたというか、理由はどうであれ理解してもらおうという姿勢を示していることだと私は思っている。氏のこの伝え方がどこまで意図したかはわからないが、私はその手があったか~!と思わされた。

私自身、最近自分の活動を振り返りつつ、自分がコンセプチュアルなものだけでなく表現そのものに対しても心惹かれている感覚があることに気がついていた。どこかで表現主義を逆張してで否定的に捉えてしまっていたのかもしれない。今日の展示は、表現。いいな。と素直に思わされた良い展示だった。


結構良い体験をしてしまったものだから、私はまた悩んでしまうだろう。私は赤ちゃんだ。自意識が芽生えてやっと数年。アーティストを名乗って3年、少しそれらしくなって1年くらい。雰囲気はちゃんとアーティストやっちゃっているが、こっからは動き方変えていかないと私の理想とするユートピア(虚構)を作り上げることができない気がする。

もっと展示がしたいな。グループ展でもいい。ZINEもやりたいな。

今欲しいとしたら寝なくて良い体かもしれない。やる気だけは常にあるのでなんでも話ください何卒。


タイトルは思いつかなかったのでsyrup16gのハピネスより。

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